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Vo.6 私のバックグラウンド

Vo.6 私のバックグラウンド

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。TYSENNのT.Aでございます。   今回のブログでは、私が10代の殆どを過ごした「オーストラリア」という国について、僭越ながら、私のバックグラウンドを交え、お話しさせて頂こうと思います。   インテリアやデコレーションアートのお話は一切ございませんので、ご了承くださいませ。   そもそも何故そんな気分になったかと言うと、先週テレビ中継されていた、全豪オープンの大阪なおみ選手の試合を拝見していて、急にオーストラリアが懐かしくなったからです。   さて、私がオーストラリアの地に初めて足を踏み入れたのは、小学6年生の時でした。   小学校最後の夏休みに、2週間のホームステイの旅に参加しました。   2000年8月15日、オーストラリア・ブリスベン国際空港に到着した初日から、驚きと感動の連続であったことを今でも鮮明に覚えています。   大きな道路、大きな車、大きいプール付の家、街と共存した大自然。それまで東京という街しか知らなかった小学生の私にとって、全てがカルチャーショックでした。   2週間の中で私は、現地の学校に短期留学をして、現地の学生に混じり、右も左も分からない英語の中で、明るく元気に現地生活を満喫しました。   そしてこの時初めて、「自分と違った文化を持つ人との交流が、こんなにも素敵なことなのだ」ということを肌で実感しました。   そんな中、私にとって、ターニングポイントとなる出来事がありました。   それは、「ユカさん」という日本人女性との出会いでした。   ユカさんは、オーストラリアに長年住んでいらした留学コーディネーターさんで、我々学生を現地でしっかりサポートしてくださった方です。   レストランでオーダーするのもユカさん。 ホテルのチェックインもユカさん。 ちょっとしたトラブルを解決してくれるのもユカさん。  ...

Vo.6 私のバックグラウンド

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。TYSENNのT.Aでございます。   今回のブログでは、私が10代の殆どを過ごした「オーストラリア」という国について、僭越ながら、私のバックグラウンドを交え、お話しさせて頂こうと思います。   インテリアやデコレーションアートのお話は一切ございませんので、ご了承くださいませ。   そもそも何故そんな気分になったかと言うと、先週テレビ中継されていた、全豪オープンの大阪なおみ選手の試合を拝見していて、急にオーストラリアが懐かしくなったからです。   さて、私がオーストラリアの地に初めて足を踏み入れたのは、小学6年生の時でした。   小学校最後の夏休みに、2週間のホームステイの旅に参加しました。   2000年8月15日、オーストラリア・ブリスベン国際空港に到着した初日から、驚きと感動の連続であったことを今でも鮮明に覚えています。   大きな道路、大きな車、大きいプール付の家、街と共存した大自然。それまで東京という街しか知らなかった小学生の私にとって、全てがカルチャーショックでした。   2週間の中で私は、現地の学校に短期留学をして、現地の学生に混じり、右も左も分からない英語の中で、明るく元気に現地生活を満喫しました。   そしてこの時初めて、「自分と違った文化を持つ人との交流が、こんなにも素敵なことなのだ」ということを肌で実感しました。   そんな中、私にとって、ターニングポイントとなる出来事がありました。   それは、「ユカさん」という日本人女性との出会いでした。   ユカさんは、オーストラリアに長年住んでいらした留学コーディネーターさんで、我々学生を現地でしっかりサポートしてくださった方です。   レストランでオーダーするのもユカさん。 ホテルのチェックインもユカさん。 ちょっとしたトラブルを解決してくれるのもユカさん。  ...

Vo.5 モノの価値とは何か

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。 TYSENNのT.Aでございます。 5回目のブログになって突然、重厚なタイトルとなってしまいました。 このブログでは、あまり気難しい話をするつもりではないのですが、最近「モノの価値の本質って一体なんだろう?」なんてことを考える機会があったので、折角なのでブログに残したいと思います。 さて、この世の中では、モノの価値は一体何で決まるのでしょうか。 どの経済学書を開いても、第一章に必ず書いてある基本的概念がありますね。 「モノの価値は需要と供給のバランスによって決まる」と。 勿論そうですが、これはどちらかというと金銭的価値を計る上での有効なメカニズムに過ぎず、実際の「モノの価値」はそんな簡単な話では収まらないですよね。 だって、高級店で売られている100万円の花瓶を買えたとしても、売れ残りだけど気に入って購入した100円の花瓶のほうが、むしろ幸せな気持ちになる人もいらっしゃるわけで。 こんな風に、モノの価値は、ブランド性、希少性、ストーリー性、機能性、情緒性、などなど、様々な要素が複雑に絡み合っていると思います。 ただ、ここで各要素を一つひとつ紐解いていくと日が暮れてしまうので、最近私が行きついた「小さな結論」をここに残しておこうと思います。 『モノの価値は、生身の人間がどれだけそのモノに携わったか、で決まる』 一概には言えないですし、機械で量産したモノが価値が低いと言っているわけでもありません。 でも皆様も普段、画一的に作られたモノより、どこかに「人のぬくもり」のあるモノに惹かれませんか? 花瓶や食器、時計などには勿論全て、それぞれの「機能」が与えられているわけですが、それでは「人のぬくもり」を排除した機能のみを果たすモノだけに囲まれていたいかというと、そうではないはずです。 たた、人のぬくもりは加われば加わるだけ、人件費は高騰し、価格はどうしても高くなります。 輸入販売業を始めると、良く「送料負け」という言葉を耳にします。 100円の商品を海外から日本に仕入れる際、1,000円の送料が掛かってしまうことです。 でもこれって、本当に「負けている」のでしょうか。 「小さい、軽い、割れない100円の商品」なら送料負けはしません。 「大きい、重い、割れる100円の商品」は、どうしても送料は高騰します。 でもこれも、先ほど述べた『モノの価値は、生身の人間がどれだけそのモノに携わったか、で決まる』という視点で考えると、高い送料も納得できます。 だって、それだけデリケートな商品を、配送会社のお兄さん達が、丁寧に、慎重に、真心込めてAからBへ届けてくれるのですから。 そのお兄さんたちの気持ちも、「人のぬくもり」として最終的に一つの商品の中に凝縮されるのだと思います。 つまり我々は、「モノを買うことを通じて、時間を買っている」のかもしれません。その「時間を買うこと」こそが、買い物における何よりもの贅沢なのではないでしょうか。 少し話がズレますが、最近、デジタル・トランスフォメーションの本格到来により、我々の日常生活では、「機能性・効率性」を最優先し、なるべく手間暇をカットして、かしこく生きる、という動きが盛んになっていると感じます。 勿論大切なことです。だだ、それだけで日常生活は本当に豊かになるでしょうか。 例えばオブジェ。我々なぜ部屋にオブジェを置くのでしょうか。オブジェは、時計のように時刻を知らせたり、ルンバのように部屋を自動で掃除してくれたり、空気清浄機のように空気を綺麗にしてくれるような画期的機能はありません。人によってはオブジェを「機能が無く、かさばるモノ」と片づけてしまう方もいるかもしれません。私も昔はそうでした。 でもそのオブジェは、確かに場所を取ってしまい非効率かもしれませんが、そこに置くことで家族との団欒が豊かになったり、心に癒しを与えたり、何か新しい発想に繋がる入り口になったりと、オブジェならではの「機能」があるはずです。 「機能性・効率性」を最優先する動きは、私生活だけでなく、当然ながら各業界にも急速に浸透しています。私が属す百貨店業界も同じです。...

Vo.5 モノの価値とは何か

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。 TYSENNのT.Aでございます。 5回目のブログになって突然、重厚なタイトルとなってしまいました。 このブログでは、あまり気難しい話をするつもりではないのですが、最近「モノの価値の本質って一体なんだろう?」なんてことを考える機会があったので、折角なのでブログに残したいと思います。 さて、この世の中では、モノの価値は一体何で決まるのでしょうか。 どの経済学書を開いても、第一章に必ず書いてある基本的概念がありますね。 「モノの価値は需要と供給のバランスによって決まる」と。 勿論そうですが、これはどちらかというと金銭的価値を計る上での有効なメカニズムに過ぎず、実際の「モノの価値」はそんな簡単な話では収まらないですよね。 だって、高級店で売られている100万円の花瓶を買えたとしても、売れ残りだけど気に入って購入した100円の花瓶のほうが、むしろ幸せな気持ちになる人もいらっしゃるわけで。 こんな風に、モノの価値は、ブランド性、希少性、ストーリー性、機能性、情緒性、などなど、様々な要素が複雑に絡み合っていると思います。 ただ、ここで各要素を一つひとつ紐解いていくと日が暮れてしまうので、最近私が行きついた「小さな結論」をここに残しておこうと思います。 『モノの価値は、生身の人間がどれだけそのモノに携わったか、で決まる』 一概には言えないですし、機械で量産したモノが価値が低いと言っているわけでもありません。 でも皆様も普段、画一的に作られたモノより、どこかに「人のぬくもり」のあるモノに惹かれませんか? 花瓶や食器、時計などには勿論全て、それぞれの「機能」が与えられているわけですが、それでは「人のぬくもり」を排除した機能のみを果たすモノだけに囲まれていたいかというと、そうではないはずです。 たた、人のぬくもりは加われば加わるだけ、人件費は高騰し、価格はどうしても高くなります。 輸入販売業を始めると、良く「送料負け」という言葉を耳にします。 100円の商品を海外から日本に仕入れる際、1,000円の送料が掛かってしまうことです。 でもこれって、本当に「負けている」のでしょうか。 「小さい、軽い、割れない100円の商品」なら送料負けはしません。 「大きい、重い、割れる100円の商品」は、どうしても送料は高騰します。 でもこれも、先ほど述べた『モノの価値は、生身の人間がどれだけそのモノに携わったか、で決まる』という視点で考えると、高い送料も納得できます。 だって、それだけデリケートな商品を、配送会社のお兄さん達が、丁寧に、慎重に、真心込めてAからBへ届けてくれるのですから。 そのお兄さんたちの気持ちも、「人のぬくもり」として最終的に一つの商品の中に凝縮されるのだと思います。 つまり我々は、「モノを買うことを通じて、時間を買っている」のかもしれません。その「時間を買うこと」こそが、買い物における何よりもの贅沢なのではないでしょうか。 少し話がズレますが、最近、デジタル・トランスフォメーションの本格到来により、我々の日常生活では、「機能性・効率性」を最優先し、なるべく手間暇をカットして、かしこく生きる、という動きが盛んになっていると感じます。 勿論大切なことです。だだ、それだけで日常生活は本当に豊かになるでしょうか。 例えばオブジェ。我々なぜ部屋にオブジェを置くのでしょうか。オブジェは、時計のように時刻を知らせたり、ルンバのように部屋を自動で掃除してくれたり、空気清浄機のように空気を綺麗にしてくれるような画期的機能はありません。人によってはオブジェを「機能が無く、かさばるモノ」と片づけてしまう方もいるかもしれません。私も昔はそうでした。 でもそのオブジェは、確かに場所を取ってしまい非効率かもしれませんが、そこに置くことで家族との団欒が豊かになったり、心に癒しを与えたり、何か新しい発想に繋がる入り口になったりと、オブジェならではの「機能」があるはずです。 「機能性・効率性」を最優先する動きは、私生活だけでなく、当然ながら各業界にも急速に浸透しています。私が属す百貨店業界も同じです。...

Vo.4 設立までの経緯 その三

Vo.4 設立までの経緯 その三

「ロンウィの工場に行ってもいいですか?」 気づいた時には、社長にそうメッセージを送っていました。 「勿論、大歓迎です」 「気が早いですが、近い将来、日本の方々にロンウィを届けたいと思っています。現地で商談をする機会を頂けませんか?」 「なるほど。直接会って話をしましょう。いつ頃フランスに来れますか?」 「来月の第3週なんてどうでしょうか?」 「その週が予定が合いません。第4週でしたらアテンドできます」 「ではその週で是非お願い致します」 「分かりました、お待ちしています」 あれよあれよという間に、ロンウィへ行くことが決まっていきます。もうワクワクが止まりませんでした。 百貨店での勤務は、休みは暦通りでないため、週末・祝日関係無く働きますが、その分一度に長期連休を取得できます。その連休を活用し、ロンウィへ行くことに決めました。 妻は当時、紳士靴売場のバイヤーを担当しており、イタリア出張から帰国した直後で、売場改装等でバタバタしていた時期なので、生憎一緒に休みは取れませんでした。 「来月、ロンウィに行ってくる」 夜10時頃に帰宅してきた妻にその旨を伝えると、「いいね!楽しんできて!」と満面の笑みで賛同してくれました。妻は基本、私がやろうとするに何でも同意してくれて、自由にやらせてくれます。いつも本当に感謝しています。 さて、行くとなったら早速準備をはじめます。 まず、Expediaで「成田→ シャルル・ド・ゴール」を検索します。旅行ではない出張の場合、旅費は少しでも浮かせたいという思いがあるため、最安値のチャイナエアの北京経由でパリ入りすることに決めました。帰りは気分転換のために、上海経由にしてみました。(結果、何の気分転換にもなりませんでしたが・・・) プライベートの旅行でもそうですが、私の性格上、未知なる地への旅となると、Excelでタイムテーブルを作って、「どの駅から、何時発の電車に乗り、どこを視察して、次の場所に向けて何時に出発して、何時発のバスに乗るか」などを詳細に決めておかないと気が済みません。 勿論その通りにいかないことが多いですし、現地での流れに身を任せる旅もとっても好きですが、大枠は決めておきたいのです。 そして何より、現地の交通情報サイトと睨めっこして、目的地までの点と点を繋げていく作業がこの上なく楽しいのです。 旅行だとこの段階でTrip Advisorを開き、現地グルメを徹底的に調べ尽くしますが、出張の場合は予定が読めないのでそれほどしませんでした。 それと、この時に屋号を決めました。 TYSENN(タイセン)と名付けました。TYSENNとは、「Types of Sensation」の略です。直略すると「感覚の種類」、すなわち「五感」を意味しています。これは百貨店で働いてきた私が常に理想としてきた「五感を刺激する売場」を、今後は自ら具現化していきたいという想いを込めて名付けました。 また、この時初めて「自分の名刺」を作成しました。 現地での商談に備えるためです。会社員だと会社が勝手に作ってくれる名刺。自分で自分の役職などを記入するのは少々恥ずかしい気持ちでしたが、ネットで簡単に発注ができました。 そしてこの頃には、ロンウィの社長の紹介などにより、パリやマルセイユを拠点に活動するフリーランスのアーティストやデザイナーたちとインスタグラムを通じて交流を持つようになっていました。準備期間中、彼らにも連絡をして、「パリで是非合流しましょう」と呼びかけました。 今現在、TYSENNのオンラインストアでエキシビションを開催している「Nicolas...

Vo.4 設立までの経緯 その三

「ロンウィの工場に行ってもいいですか?」 気づいた時には、社長にそうメッセージを送っていました。 「勿論、大歓迎です」 「気が早いですが、近い将来、日本の方々にロンウィを届けたいと思っています。現地で商談をする機会を頂けませんか?」 「なるほど。直接会って話をしましょう。いつ頃フランスに来れますか?」 「来月の第3週なんてどうでしょうか?」 「その週が予定が合いません。第4週でしたらアテンドできます」 「ではその週で是非お願い致します」 「分かりました、お待ちしています」 あれよあれよという間に、ロンウィへ行くことが決まっていきます。もうワクワクが止まりませんでした。 百貨店での勤務は、休みは暦通りでないため、週末・祝日関係無く働きますが、その分一度に長期連休を取得できます。その連休を活用し、ロンウィへ行くことに決めました。 妻は当時、紳士靴売場のバイヤーを担当しており、イタリア出張から帰国した直後で、売場改装等でバタバタしていた時期なので、生憎一緒に休みは取れませんでした。 「来月、ロンウィに行ってくる」 夜10時頃に帰宅してきた妻にその旨を伝えると、「いいね!楽しんできて!」と満面の笑みで賛同してくれました。妻は基本、私がやろうとするに何でも同意してくれて、自由にやらせてくれます。いつも本当に感謝しています。 さて、行くとなったら早速準備をはじめます。 まず、Expediaで「成田→ シャルル・ド・ゴール」を検索します。旅行ではない出張の場合、旅費は少しでも浮かせたいという思いがあるため、最安値のチャイナエアの北京経由でパリ入りすることに決めました。帰りは気分転換のために、上海経由にしてみました。(結果、何の気分転換にもなりませんでしたが・・・) プライベートの旅行でもそうですが、私の性格上、未知なる地への旅となると、Excelでタイムテーブルを作って、「どの駅から、何時発の電車に乗り、どこを視察して、次の場所に向けて何時に出発して、何時発のバスに乗るか」などを詳細に決めておかないと気が済みません。 勿論その通りにいかないことが多いですし、現地での流れに身を任せる旅もとっても好きですが、大枠は決めておきたいのです。 そして何より、現地の交通情報サイトと睨めっこして、目的地までの点と点を繋げていく作業がこの上なく楽しいのです。 旅行だとこの段階でTrip Advisorを開き、現地グルメを徹底的に調べ尽くしますが、出張の場合は予定が読めないのでそれほどしませんでした。 それと、この時に屋号を決めました。 TYSENN(タイセン)と名付けました。TYSENNとは、「Types of Sensation」の略です。直略すると「感覚の種類」、すなわち「五感」を意味しています。これは百貨店で働いてきた私が常に理想としてきた「五感を刺激する売場」を、今後は自ら具現化していきたいという想いを込めて名付けました。 また、この時初めて「自分の名刺」を作成しました。 現地での商談に備えるためです。会社員だと会社が勝手に作ってくれる名刺。自分で自分の役職などを記入するのは少々恥ずかしい気持ちでしたが、ネットで簡単に発注ができました。 そしてこの頃には、ロンウィの社長の紹介などにより、パリやマルセイユを拠点に活動するフリーランスのアーティストやデザイナーたちとインスタグラムを通じて交流を持つようになっていました。準備期間中、彼らにも連絡をして、「パリで是非合流しましょう」と呼びかけました。 今現在、TYSENNのオンラインストアでエキシビションを開催している「Nicolas...

Vo.3 設立までの経緯 その二

Vo.3 設立までの経緯 その二

いつもご覧頂きどうも有難うございます。 TYSENNのT.Aでございます。 今回も前回に引き続き、TYSENN設立までの経緯についてお話できればと思います。 前回のブログ「Vo.2 設立までの経緯 その一」に記載した通り、ニューヨークからの帰国後は、何かに取り憑かれたかのように、「Emaux de Longwy(エモー・ドゥ・ロンウィ)」について調べる日々が続きました。 始めは公式サイト上の写真だけを眺めているだけでしたが、それだけでは飽き足らず、その他関連サイトをはじめ、ネットオークションで売られていた読めないフランス語の書籍などを買い集め、ブランドの歴史や装飾技法のルーツまでも掘り下げていきました。英語と日本語の情報が少なく少々苦労しましたが、結果分かったことは以下の通り。 ・創業1798年であること ・エモー・ドゥ・ロンウィとは日本語で「ロンウィのエナメル」という意味であること ・ロンウィはリモージュ同様にフランスを代表する陶器の街であること ・エナメルとは陶器の表面に色・光沢を出す、ガラスを原料とした薬品であること ・かの有名な皇帝ナポレオンが熱狂的コレクターであったこと ・その伝統装飾のルーツは日本の七宝焼きにあること 他、語り始めると切りが無いので、これくらいにしておきます。 私が働く百貨店には、当然ながらファッション以外にも「陶器」を扱っている売場がありましたが、今までそれほど注意深く観察したことはありませんでした。 ただニューヨーク帰国後は、お昼休みを使い、和洋食器売場や画廊などに頻繁に足を踏み入れるようになりました。 幸運にも百貨店には、それぞれの分野に豊富な経験と知識を持ったプロフェッショナルが居ます。 これまで社内でもあまり面識の無かったリビング・美術品のバイヤーから聴き、見て、触り、どんどん陶器やデコレーションアートの魅力に取り憑かれていきます。 そして思いました・・・「ロンウィをもっと集めたい」・・・と。 ただもうお分かりかと思いますが、ロンウィは日本で購入できるお店がネット・リアル問わずありませんでした。なのでロンウィの問い合わせ窓口に直接メールを送ってみました。 「日本から連絡をしています。そちらの商品を購入したいのですが、対応して頂けませんか?」と。 2日待っても、1週間待っても、10日待っても連絡が来ません。 私が育ったオーストラリアも時間はゆっくり流れますが、それ以上な気がしました。 ロンウィの工場らしき電話番号に、催促の電話をしました。 女性が出ますが、皆英語が喋れないようで、会話が成り立ちません。 受話器の向こうで皆で「まずい、英語だわ、どうしよう?」と話し合ってる声が聞こえてきます。(なんだか可愛らしい) 痺れを切らしていた頃、一通のメールを受信します。 「遠い日本からご連絡ありがとうございます。もちろん可能です。あなたのために、最高の一品をお作り致しますよ。いかが致しましょうか。」...

Vo.3 設立までの経緯 その二

いつもご覧頂きどうも有難うございます。 TYSENNのT.Aでございます。 今回も前回に引き続き、TYSENN設立までの経緯についてお話できればと思います。 前回のブログ「Vo.2 設立までの経緯 その一」に記載した通り、ニューヨークからの帰国後は、何かに取り憑かれたかのように、「Emaux de Longwy(エモー・ドゥ・ロンウィ)」について調べる日々が続きました。 始めは公式サイト上の写真だけを眺めているだけでしたが、それだけでは飽き足らず、その他関連サイトをはじめ、ネットオークションで売られていた読めないフランス語の書籍などを買い集め、ブランドの歴史や装飾技法のルーツまでも掘り下げていきました。英語と日本語の情報が少なく少々苦労しましたが、結果分かったことは以下の通り。 ・創業1798年であること ・エモー・ドゥ・ロンウィとは日本語で「ロンウィのエナメル」という意味であること ・ロンウィはリモージュ同様にフランスを代表する陶器の街であること ・エナメルとは陶器の表面に色・光沢を出す、ガラスを原料とした薬品であること ・かの有名な皇帝ナポレオンが熱狂的コレクターであったこと ・その伝統装飾のルーツは日本の七宝焼きにあること 他、語り始めると切りが無いので、これくらいにしておきます。 私が働く百貨店には、当然ながらファッション以外にも「陶器」を扱っている売場がありましたが、今までそれほど注意深く観察したことはありませんでした。 ただニューヨーク帰国後は、お昼休みを使い、和洋食器売場や画廊などに頻繁に足を踏み入れるようになりました。 幸運にも百貨店には、それぞれの分野に豊富な経験と知識を持ったプロフェッショナルが居ます。 これまで社内でもあまり面識の無かったリビング・美術品のバイヤーから聴き、見て、触り、どんどん陶器やデコレーションアートの魅力に取り憑かれていきます。 そして思いました・・・「ロンウィをもっと集めたい」・・・と。 ただもうお分かりかと思いますが、ロンウィは日本で購入できるお店がネット・リアル問わずありませんでした。なのでロンウィの問い合わせ窓口に直接メールを送ってみました。 「日本から連絡をしています。そちらの商品を購入したいのですが、対応して頂けませんか?」と。 2日待っても、1週間待っても、10日待っても連絡が来ません。 私が育ったオーストラリアも時間はゆっくり流れますが、それ以上な気がしました。 ロンウィの工場らしき電話番号に、催促の電話をしました。 女性が出ますが、皆英語が喋れないようで、会話が成り立ちません。 受話器の向こうで皆で「まずい、英語だわ、どうしよう?」と話し合ってる声が聞こえてきます。(なんだか可愛らしい) 痺れを切らしていた頃、一通のメールを受信します。 「遠い日本からご連絡ありがとうございます。もちろん可能です。あなたのために、最高の一品をお作り致しますよ。いかが致しましょうか。」...

Vo.2 設立までの経緯 その一

Vo.2 設立までの経緯 その一

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。T.Aでございます。 今回のブログでは、TYSENN設立までの経緯について、皆様にお伝えできればと思います。 前回のブログ「Vo.1 私たちについて」でお伝え致しましたが、我々はこれまで夫婦揃って都内百貨店にてバイヤーとして働いていました。 また別の機会に詳しく述べたいと思いますが、バイヤーは1年、2年先に向けて業務を遂行することが多いので、1年間が「あっ」という間に過ぎてしまう仕事です。(どんな仕事をしていても、1年なんてあっという間だと思いますが) そんな目まぐるしく過ぎる日々の中、TYSENN設立のキッカケを与えてくれたのは、「ニューヨークでの予期せぬ遭遇」でした。 2019年春、夫婦で弾丸でニューヨークを訪れました。プライベートの旅行とはいえ、互いに担当がファッションであることから、アパレルショップを多く周り、限られた時間の中でトレンド、ディスプレイ、スタイリング、コーディネートのヒントを最大限インプットする、なんてことをしていました。こう聞くとなんだかストイックな旅行に感じるかもしれませんが、これが我々にとって「最高にワクワクすること」です。  そんな中、視察としてたまたま入店した今は無き老舗高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」で、予期せぬ遭遇があったのです。 ファッションを中心に見ていたはずが、とある陶器が目に留まりました。 自国では見たことのない艶、光沢、そして色彩。堂々としていて、けれどもどこか可愛らしい。その凛とした姿に二人とも一瞬にして心奪われ、気づいた時には「その子」を大切に抱え、レジでお会計を済ませていました。 そう。そのブランドがまさに、今回TYSENNがパートナーシップを組ませて頂けることになったフランスの名窯「Emaux de Longwy(エモー・ドゥ・ロンウィ)」だったのです。 上記の「その子」とは、ロンウィの中で最もアイコニックなアイテムと言える、[GEO] – Candle Pod – Blackです。 そして、帰国の日はあっという間に訪れました。 割れ物なので日本から持ってきた洋服で大事に包み、慎重にスーツケースに入れて大切に連れて帰りました。 成田到着後、税関でランダムに実施されているスーツケースチェックに当たってしまいます。その時その子を見るなり、「なんて素敵な陶器!」と目を輝かせていた係員の方の顔が今でも忘れられません。 ファッション同様にインテリアについても以前から関心はありましたが、その子との出会いで間違いなくインテリア・デコレーションアートへの情熱は増したと思います。 家に到着するなり、すぐさまその子をスーツケースから取り出しました。 改めて、「こんな素敵なものが世の中にはあるんだ」と心の底から感動したのを今でも覚えています。 それからというもの、「どんな歴史があるのだろう?何処で誰が作っているのだろう?他にどんなコレクションがあるのだろう?」なんてことばかり考え始め、夜な夜なブランドについて調べる日々が始まります。 今思い返すと、この辺りから既に、TYSENN設立への第一歩が始まっていたのかと思います。 続く・・・。 Written by...

Vo.2 設立までの経緯 その一

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。T.Aでございます。 今回のブログでは、TYSENN設立までの経緯について、皆様にお伝えできればと思います。 前回のブログ「Vo.1 私たちについて」でお伝え致しましたが、我々はこれまで夫婦揃って都内百貨店にてバイヤーとして働いていました。 また別の機会に詳しく述べたいと思いますが、バイヤーは1年、2年先に向けて業務を遂行することが多いので、1年間が「あっ」という間に過ぎてしまう仕事です。(どんな仕事をしていても、1年なんてあっという間だと思いますが) そんな目まぐるしく過ぎる日々の中、TYSENN設立のキッカケを与えてくれたのは、「ニューヨークでの予期せぬ遭遇」でした。 2019年春、夫婦で弾丸でニューヨークを訪れました。プライベートの旅行とはいえ、互いに担当がファッションであることから、アパレルショップを多く周り、限られた時間の中でトレンド、ディスプレイ、スタイリング、コーディネートのヒントを最大限インプットする、なんてことをしていました。こう聞くとなんだかストイックな旅行に感じるかもしれませんが、これが我々にとって「最高にワクワクすること」です。  そんな中、視察としてたまたま入店した今は無き老舗高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」で、予期せぬ遭遇があったのです。 ファッションを中心に見ていたはずが、とある陶器が目に留まりました。 自国では見たことのない艶、光沢、そして色彩。堂々としていて、けれどもどこか可愛らしい。その凛とした姿に二人とも一瞬にして心奪われ、気づいた時には「その子」を大切に抱え、レジでお会計を済ませていました。 そう。そのブランドがまさに、今回TYSENNがパートナーシップを組ませて頂けることになったフランスの名窯「Emaux de Longwy(エモー・ドゥ・ロンウィ)」だったのです。 上記の「その子」とは、ロンウィの中で最もアイコニックなアイテムと言える、[GEO] – Candle Pod – Blackです。 そして、帰国の日はあっという間に訪れました。 割れ物なので日本から持ってきた洋服で大事に包み、慎重にスーツケースに入れて大切に連れて帰りました。 成田到着後、税関でランダムに実施されているスーツケースチェックに当たってしまいます。その時その子を見るなり、「なんて素敵な陶器!」と目を輝かせていた係員の方の顔が今でも忘れられません。 ファッション同様にインテリアについても以前から関心はありましたが、その子との出会いで間違いなくインテリア・デコレーションアートへの情熱は増したと思います。 家に到着するなり、すぐさまその子をスーツケースから取り出しました。 改めて、「こんな素敵なものが世の中にはあるんだ」と心の底から感動したのを今でも覚えています。 それからというもの、「どんな歴史があるのだろう?何処で誰が作っているのだろう?他にどんなコレクションがあるのだろう?」なんてことばかり考え始め、夜な夜なブランドについて調べる日々が始まります。 今思い返すと、この辺りから既に、TYSENN設立への第一歩が始まっていたのかと思います。 続く・・・。 Written by...

Vo.1 私たちについて

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。 TYSENNオーナーの、T.Aでございます。 この度、ブログを始めてみることにしました。 このブログでは、TYSENNのことは勿論、デコレーションアートのこと、インテリアのこと、リノベーションのこと、仕事や日常で感じたこと、など様々な内容を気ままに呟いていこうと思います。 早速「まずは何について話そうか?」と考えましたが、その前に自己紹介が必要ですね。 なので僭越ながら、まずは我々のことについて、簡単に書かせて頂きたいと思います。 T.A – 夫 / 東京生まれ / オーストラリア育ち K.A – 妻 / 横浜生まれ / 横浜育ち 以前インスタグラムでも少し述べましたが、我々はこれまで夫婦揃って、都内百貨店でバイヤーとして仕事をしておりました。ただ少し変わっていることは、夫がレディスファッション、妻がメンズファッションを担当していたということです。お互いファッションには関心があることから、「互いが互いを教え合う」なんてことをして日々仕事をしていました。 百貨店ではバイヤー以外にも、ストアコンシェルジュとしてお客様のご要望に合った商品をお見立てしたり、外商係員として顧客様相手にライフスタイル提案を行ったり、サービスマネジャーとして売場における接客・サービスの質向上などに努めてきました。 そんな経歴であることから、我々の「モノ・コト・ヒトに対する考え方」は、全て百貨店から教わり、それがルーツになっていることは言うまでもありません。 「なぜ百貨店なんですか?」という新卒採用で良く耳にする質問に答えるとするならば、「百貨店はいつの時代も、夢と憧れを売る場所だから」と即答するでしょう。少し恥ずかしいですが、真剣にそう思います。 我々は百貨店従事者であると同時に、根っからの百貨店ファンです。現在百貨店各社はコロナの影響もあり非常に厳しい状況に立たされていますが、そんな理想の具現化に向けて、日々丁寧なバイイングと接客応対を心掛けてきました。 そんな我々がなぜこの度、インテリアという新たな分野でTYSENNを立ち上げることになったのか、そんな設立までの経緯なども少しずつ皆様にお伝えしていければと思います。 これからも投稿を続けていきますので、是非気軽にサイトに遊びにいらしてください。 これからも応援の程、是非お願い致します。 Written by...

Vo.1 私たちについて

いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。 TYSENNオーナーの、T.Aでございます。 この度、ブログを始めてみることにしました。 このブログでは、TYSENNのことは勿論、デコレーションアートのこと、インテリアのこと、リノベーションのこと、仕事や日常で感じたこと、など様々な内容を気ままに呟いていこうと思います。 早速「まずは何について話そうか?」と考えましたが、その前に自己紹介が必要ですね。 なので僭越ながら、まずは我々のことについて、簡単に書かせて頂きたいと思います。 T.A – 夫 / 東京生まれ / オーストラリア育ち K.A – 妻 / 横浜生まれ / 横浜育ち 以前インスタグラムでも少し述べましたが、我々はこれまで夫婦揃って、都内百貨店でバイヤーとして仕事をしておりました。ただ少し変わっていることは、夫がレディスファッション、妻がメンズファッションを担当していたということです。お互いファッションには関心があることから、「互いが互いを教え合う」なんてことをして日々仕事をしていました。 百貨店ではバイヤー以外にも、ストアコンシェルジュとしてお客様のご要望に合った商品をお見立てしたり、外商係員として顧客様相手にライフスタイル提案を行ったり、サービスマネジャーとして売場における接客・サービスの質向上などに努めてきました。 そんな経歴であることから、我々の「モノ・コト・ヒトに対する考え方」は、全て百貨店から教わり、それがルーツになっていることは言うまでもありません。 「なぜ百貨店なんですか?」という新卒採用で良く耳にする質問に答えるとするならば、「百貨店はいつの時代も、夢と憧れを売る場所だから」と即答するでしょう。少し恥ずかしいですが、真剣にそう思います。 我々は百貨店従事者であると同時に、根っからの百貨店ファンです。現在百貨店各社はコロナの影響もあり非常に厳しい状況に立たされていますが、そんな理想の具現化に向けて、日々丁寧なバイイングと接客応対を心掛けてきました。 そんな我々がなぜこの度、インテリアという新たな分野でTYSENNを立ち上げることになったのか、そんな設立までの経緯なども少しずつ皆様にお伝えしていければと思います。 これからも投稿を続けていきますので、是非気軽にサイトに遊びにいらしてください。 これからも応援の程、是非お願い致します。 Written by...