いつもご覧頂いている皆様、どうも有難うございます。
TYSENNのT.Aでございます。
既にご認識頂いていたら嬉しいですが、11月17日(水)→30日(火)の期間、東京・日本橋高島屋 2階ギャラリー・ル・シックにて、私が輸入代理店を務める、1798年創業のフランスの名窯「エモー・ドゥ・ロンウィ」の日本初 展示販売会を開催致します。
なので今回のブログでは、このイベントの開催が目前に迫る今の心境について、折角なのでここに残しておこうと思います。
「Vo.2 設立までの経緯 その一」にも記載しておりますが、ロンウィとは3年ほど前に妻と旅行で訪れたニューヨークの、偶然立ち寄った百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」で出会いました。
その後、その歴史や装飾技法について深く調べていく中で、「日本の皆様に是非このブランドをご紹介していきたい」と率直に感じ、意を決してフランス・ロンウィの工場へ出向き本国メンバーと握手を交わし、今に至ります。
でもなぜ私は、こんなにもロンウィに惚れ込んでしまったのでしょうか。折角なのでこの機会に考えてみました。
結論から先に言ってしまうと、その理由は「陶器自体の美しさも去ることながら、日本にはあまり馴染みのない『住居を飾るという習慣』を220年に渡り世界に発信し続けている」ということに私自身、強く感銘を受けたからだと思います。
以前ブログに少し記述したかと思いますが、私がインテリアに情熱を注ぎ始めるようになったのはここ4~5年の話で、それ以前はファッションバイヤーという職業柄、同じ「飾る」でも「着飾る」ということばかりを意識して生活をしていました。
雑誌を見てもインテリアではなくモデルが着用しているニットやパンツだけに目が行き、休日ともなれば大好きなファッションで自身を飾り、「さあ、この洋服を着てどこへ出かけよう、誰と会おう」と家の外ばかりに目線が行っていました。
そんな当時の自分にとって、全く新しい意味の「飾る」を知るキッカケになったのが、このロンウィだったのかなぁと思います。
ロンウィとの出会いを皮切りに、フランスを中心にインテリアやデコレーション業界の方々と接点を持たせて頂けるようになりました。そして、そうした方々と対話したり、現地の日常生活を覗き見したりする中で、私自身、感じたことがありました。
それは、「外(相手)に向けて飾る」だけでなく、「中(自分)に向けて飾る」ということを日常に取り入れると、日々の生活はより豊かになる、ということでした。
よくファッションは「自己表現のコミュニケーションツール」と題されますよね。現代洋服のルーツになっている軍服、制服、正装服なども、元を辿れば相手に対して「自分はこうゆうものです」ということを示すために作られた道具です。つまりTPOが大切なファッションでは、主語は常に「相手」になります。
一方のインテリアはどうでしょうか。歴史上、相手に対して自身の権力や富をアピールするためのツールという側面もありますが、最も大切なことは「そこで自分自身が寛ぐこと、癒されること」です。つまり主語は「自分」になることが多いと感じます。
百貨店の美術部の先輩から教わりましたが、日本にも古くから「住居を飾る」という美しい文化は根強く存在します。
ただ、その文化が我々の日常生活の中で習慣化されているかというと、決して「うん」とは頷けません。一方欧州では一般家庭であっても、そうした文化はごく自然に日常に溶け込んでいると感じました。
この展示販売会では、ロンウィの陶器そのものが持つ美しさも勿論ですが、その背景にある「住居を飾る習慣」を一人でも多くの皆様に感じて頂ければ幸いです。
ロンウィは、偶然ニューヨークで出会い、偶然その装飾技法のルーツが日本の七宝焼にあり、偶然私が日本人であることで工場の職人さん達に大歓迎され、偶然本国メンバーと意気投合して、偶然この度日本にやってきます。
このブログに書いた小難しい内容はさて置き、単純に陶器の美しさも魅力ですので、都内にお越しの際は是非、日本橋高島屋に足をお運びくださいませ。
皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております。
Written by T.A
<ご案内>
■催名:エモー・ドゥ・ロンウィ 日本初 展示販売会
■場所:日本橋高島屋 2階ギャラリー・ル・シック
■会期:11月17日(水)→30日(火)
■時間:10:30〜19:30(最終日は18:00閉場)
■入場:無料
■お問い合わせ:03-3211-4111(日本橋高島屋 代表)